鉄が不足・欠乏しているだけで、いら立つ、すぐにキレるなどの情緒障害になりやすく暴力的・攻撃的になることもあります。また、亜鉛不足・欠乏でも気分が沈みやすくなる、集中できないなど起きることがありはます。

鉄の不足・欠乏で、記憶や高次機能を担当する海馬の機能低下、脳の情報処理速度の低下、気力の低下、学習障害、朝起きれない学校に行けないといった症状の現れる「起立性調節障害」のリスクが上がります。身体面では、めまい、立ちくらみ、易疲労、息切れなどが、目に見えない脳のなかで影響が起きています。

亜鉛の不足・欠乏では、皮膚炎、口内炎、免疫力の低下、成長障害などが知られています。脳内では、うつ、記憶低下などに関与していることがわかっていす。もともと亜鉛は脳の記憶の場である海馬と大脳皮質に多く存在しているからです。

鉄が足りないところに亜鉛も足りないと、ほかにも「起こりやすくなる」不調があります。免疫力の低下はもとより、メンタル面では、うつ、不安神経症、チックなどです。

 伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事50の基本』から一部抜粋・編集